初めての韓国発券でシドニーへ
世界を2周しても、私は特別なステータスに興味を持たず、ただ行きたい場所へ旅してきました。
もし当時それを意識していれば、すでにダイヤモンドステータスを達成していたはずなのに――
自分はダイヤモンドでなくてもいいと思っていたけれど、ある日ふと「スイートラウンジに連れてって」と言われて、心が動きました。
恩着せがましく言うつもりはないけれど、実際のところその一言がきっかけで“後追いの修行”を決めたのです。
単にマイルを貯めるために飛行機に乗るよりも、どうせ同じお金を払うなら少しでも意味のある旅にしたいと思い、韓国発券でシドニー往復を組みました。
宮古島をただ往復するより、同じくらいの費用で海外を感じられる――そんな挑戦をしてみたかったのです。
実のところ「ちょっと旅行も楽しみたい」という気持ちも本音でした。
久しぶりの一人旅で感じた温かさ
シドニーではエアビーをとり、2泊の短い滞在。英語が完璧なわけではないけれど、リスニング力で何とか通じ合える自信がありました。
でも実際は、ネイティブ同士のテンポに戸惑い、久しぶりに“自分の英語力が試される”時間になりました。
ホストはとても温かく迎えてくれ、名前を何度も呼んでくれて、まるで30年前のアイルランドを思い出すような優しさ。
別れ際、見えなくなるまで手を振ってくれたその姿に胸が熱くなりました。
旅の途中で見つけた学び
旅の主目的はダイヤ達成。でも、美容師さんに「ちゃんと計画立てて行った方がいいよ」と言われ、少し郊外へ足を延ばすことに。
娘から教えてもらったジェラート屋さんにも行って、きっと娘も“私の性格”をわかって課題を出してくれたのだと思いました。
シドニーは暑すぎず寒すぎず、人も穏やかで、どこか東京と似ている雰囲気。
お手洗いが無料なのも、やっぱりアジア的で心地よい。
私はヨーロッパも好きだけれど、「英語が通じる安心感のある国」が好きなんだと改めて実感しました。
ノートと涙の時間
今回はノートを持参して、飛行機の中でたくさんジャーナリングをしました。
普段はPCに打ち込むことが多いけれど、“書く”ことで湧き出す感情の深さは全然違うと感じました。
飛行機の中でたくさん泣きました。
自分でも気づかなかった思いが溢れてきて、「ああ、これが旅の意味だったのかもしれない」と思いました。
相場を我慢した自分を少し褒めたい
月末にトランプ大統領が来日、FOMC、植田総裁の発言で相場が動くのを知っていたので、旅先でも板を追いたくてうずうず。
ネットが不安定な中、リスクを取らずに我慢した自分を「よく耐えた」と思うべきか、「おいしいところを逃した」と悔やむべきか…。
でもひとつだけ決めました。次からは“相場が動きそうな日は旅行を入れない”。
投資も旅も、心が落ち着いているときに味わいたいから。
ダイヤ修行のラストフライト
この韓国発券分の羽田→金浦がビジネスクラスで、これでダイヤ修行はついに完結。
ただし別で手配した帰りの金浦→羽田は致し方ない金欠のエコノミークラス(笑)。
庶民感覚のまま初のダイヤモンドステータスを迎えるという、なんとも肩身の狭いスタートですが、そんな自分らしいスタートも悪くないなと思います。
効率も気持ちも大切にできた、少し誇らしい旅でした。
心が揺さぶられた旅の終わりに
今回の一人旅で、気づけば涙がこぼれていました。そんな瞬間は本当に久しぶりでした。
心が揺れる瞬間にこそ、本当の自分が顔を出す気がします。
怖がりな自分もまだいるけれど、少しずつ受け入れながら、またいつか一人旅をしたい。
ダイヤを目指して始まった旅は、気づけば“自分を見つめ直す旅”になっていました。