【体験レビュー】APAホテル梅田に泊まって見えた“インバウンド需要のリアル”と、元谷社長の経営哲学
2025年春。大阪万博の盛り上がりを肌で感じようと大阪・梅田に滞在しました。宿泊先に選んだのは APAホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉。
今回の宿泊はただの観光目的ではなく、インバウンド需要と宿泊施設の関係性、そして今後の民泊・ホテル運営のヒントを探るための視察も兼ねていました。
なぜAirbnbではなく、APAホテルを選んだのか?
実は3ヶ月前に予約していたこのAPAホテル、1泊1万円ほどとかなりリーズナブル。
本来なら「リアルなゲスト目線」を得るためにAirbnbも検討したのですが、今回はあえてビジネスホテルを選択。
というのも、Airbnbにはどうしても“当たり外れ”がある印象で…事前に写真で良さそうでも、到着して「あ、やられたかも」と感じる瞬間、皆さんも経験ありませんか?
今回は「後悔しない選択」を優先し、コスパと安心感のバランスでAPAをチョイスしました。
さらに今回は、将来的に民泊や小規模宿泊施設の運営を視野に入れていることもあり、競合となるホテルの運営スタイルや設備、サービス内容を多角的に観察しておくことが重要だと考えたのも理由の一つです。
「泊まること自体が学びになる」――そんな視点でAPAを選んだ今回の宿泊は、想像以上に発見の多い滞在となりました。
梅田駅前で見かけた外国人観光客のリアル
梅田という土地柄、外国人の姿も多く見られましたが、率直に言うと東京(渋谷・新宿)ほどの密度ではない印象。
ただ、それでもAPAホテル内では欧米系・アジア系問わず、多様な国籍の宿泊者が多く滞在していました。
やはり「万博」や「インバウンド回復」の影響は着実に感じられました。
APAホテルの強さは“狭いけど痒い所に手が届く”空間設計
部屋は狭いです。けれど、驚くほど「使いやすい」。
それもそのはず。APAグループの元谷外志雄(もとや・としお)代表は、常に顧客目線で「何が本当に必要なのか」を徹底して分析するホテル経営者。
書籍も何冊か読んでいますが、彼の「経営とは設計である」という哲学が、部屋の端々に現れているようでした。
- 姿見+大きな鏡:部屋を広く見せ、身だしなみにも配慮
- 姿見周辺に3つのフック+スリッパ掛け棒:傘やスリッパが片付く安心設計
- デスク下のスライド引き出し:ドライヤーやお茶セットがホコリを避けて収納
- 二段構えのアクセサリーボックス&メモパッド:ビジネスマンにも女性にもありがたい
- 冷蔵庫・電気ケトルの隙間に浴衣:デッドスペースを無駄にしない配置
- ベッド下収納:スーツケースを開いたまま入れられる神仕様!
温泉と“ビックリマン”の意外なコラボ!屋上で外国人とドアチャレンジ?
このホテルには、4階に温泉施設があります。
そしてなんと、屋上にはプールがあり、その壁一面には「ビックリマン」のアニメキャラが描かれているという異色のコラボレーション!
その存在を知り、夜に行ってみたのですが…まさかの20時クローズ。
ついてきたのは欧州系のカップル+ソロ旅行者(なぜか私についてきた笑)
皆で「鍵開かないの?」「他の扉ない?」と一致団結して試みるも、あえなく撃沈(笑)
屋上プールは見れませんでしたが、ホテルで“謎の国際交流”ができた不思議な思い出になりました。
温泉は清潔だけど…やや消毒臭あり?部屋風呂との比較も
温泉(大浴場)は清潔感はありましたが、正直消毒臭がかなり強め。
私は直前に霧島の源泉かけ流し温泉に入っていたので、なおさらギャップを感じました。
- 4階に温泉あり、朝風呂も可能
- 夜になると混みがち(特にインバウンド客)
- 清潔感はあるが消毒臭強め
外国人にとっては“温泉がある”という体験そのものが価値なので、これは強みになるとも思います。
📊APAホテル@梅田|宿泊レビューまとめ
項目 | 評価・内容 |
---|---|
立地 | 梅田駅徒歩圏、観光・ビジネスの拠点に最適 |
インバウンド比率 | アジア系・欧州系ともに多め、万博効果あり |
部屋の工夫 | 鏡・収納・デスクまわり、全てが“痒い所に手が届く” |
温泉施設 | 4階にあり/清潔だが消毒臭あり/朝風呂可能 |
屋上プール | ビックリマンコラボで外国人にも人気/20時でクローズ |
デスク設備 | 引き出し収納にドライヤー・茶器/冷蔵庫・浴衣の配置も無駄なし |
ベッド下収納 | スーツケースが丸ごと収納できる |
お風呂・トイレ | コンパクト設計で体格の大きい人にはやや不向き |
コスパ | 1泊1万円前後(3ヶ月前予約)でこの設備は驚異的 |
清掃・安全性 | ビジネスホテルとして十分な水準 |
最後に:APAホテルは“インバウンド対応型の完成形”かもしれない
今回の滞在を通じて感じたのは、APAホテルの「ホテル経営は設計と心理の積み重ね」という哲学。
狭くても快適。機能的で無駄がない。外国人にも「清潔で安心」と映る構造。
宿泊者の目線をここまで突き詰めるホテルは、他にそう多くないと感じました。
そして率直な感想として、「この価格帯で勝負するのは本当に厳しい」という印象も同時に受けました。
利益率を確保しながら快適性と安全性を保ち、さらにインバウンド需要にも応える。
だからこそ、今後は価格以外での差別化がますます重要になると実感しました。